2014年5月 保護者セミナー報告

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日時
平成26年5月17日(土)
演題
支える人の今とこれから
講師
前敦賀短期大学教授 龍谿乘峰氏
報告内容

龍谿先生は、家族臨床心理学がご専門で、家族を視野に入れたカウンセリングを実践されていて、以前、敦賀短期大学で、サポステふくいの嶺南サテライトとしてカウンセリングを担当していただきました。現在は、大学や専門学校で講師をしながら、自宅のお寺のご住職をされています。

使命感と役割
子育ては、有史以来、人間が抱える難しい問題であり、いつの時代も親は子育てで悩んできています。子どもは親の言葉から何かを感じ取って思い込み、それが子どもの使命感や役割となり、いったん背負うと抜けられなくなることがあります。子どもは青年期に入ると、自分自身でありたいという思いと、親からの使命感・役割にひっぱられるというジレンマが生じるようです。
ある青年の事例
先生は、高校時代につまづいた青年を例に挙げ、そのジレンマについて話をされました。その青年は成績が優秀で、親や学校の先生も含めて周囲の期待を受けており、目標にしていた大学に行くことを使命としていましたが、3年に進級後成績が落ちはじめ、大学のランクを下げざるをえませんでした。
その後、大学に入学しましたが馴染めず、アパートにいるだけの生活に陥りました。そして、帰郷し3年ほど、外に出ていない日々が続きました。そのうち、自らアルバイトを探し、3ヶ月間の重労働の仕事をやり遂げました。また、自分の判断で大学を辞めました。この二つの事柄は、彼が初めて自ら行動を起こしたことでした。
自律性と他律性
彼は、自分の行動について自己評価をし85点としましたが、先生自身は彼が自分の意思で行動した点を評価し、95点としましたが、ワークライフバランスの問題として、重労働のアルバイトをしたことを問題視し、40点としました。
それを聞いた本人は、本当の自分は30点であると自覚し、「自分に合った仕事はあるか?」という本人の問いに、先生はそのために段階を踏もうというアドバイスをしたところ、彼の自己肯定感を後押しし、否定していた自分を受け入れ、自己再生することができたのです。
この場合、彼の使命感は親や先生からの他律性からくるものであり、本来、自己決定・自己選択・自己責任という自律性とは異なるものでした。本人を支え、その自律性を育てるため、結果は、○×ではなく、途中の節目での評価が大切であることを強調されました。

参加者の声として、本人が親と話さないということに悩んでいる方がおられました。先生は、親子は言葉以上に繋がりが濃い関係性があり、話さないということで何かしらのメッセージを発している場合がある。親として気が気ではないかもしれないが、そのことを容認し「見守る」姿勢が大切であるとアドバイスされました。また、家族だけで抱えず、親戚や友人などの協力も得て、本人を支えていくことも一つの方法であることを挙げられました。

参加された皆さんの感想
自分では知らないうちに、子供に対して支配的になっていたかもしれない...と気づかされた気がしました。
いろんな例をあげてわかりやすい内容でした。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2014年6月24日)のものです。予めご了承ください。