2013年7月 保護者セミナー報告

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日時
平成25年7月27日(土)
演題
みんなで一緒に考えよう
講師
ホッとサポートふくい次長 渡邊美佐江氏
報告内容

7月のセミナーは「ホッとサポートふくい(県精神保健福祉センター)」の渡邊次長を講師にお招きして、お話をしていただきました。「ホッとサポートふくい」は「サポステふくい」とは関係の深い機関で、出前相談会では相談要員として協力していただいております。まず、機関紹介も兼ねて、「ホッとサポートふくい」がどういった業務をしているのかを中心に、現代の若者の特徴と彼らに対して出来ること・出来ないことについて説明されました。

業務内容としては、まず「こころの相談」です。実際に相談を受けた例として、働けない息子の辛さが分かってあげられない母親など3例を挙げられました。このような事例の方は、サポステふくいにも来られますし、親サポに参加されている方も同じような悩みを抱えていると思われます。事例のなかでは相談にいたるまでの家族の関わりや経過など参考になるところがありました。ご家族としての関心事は、これから本人とどのように関わっていくかです。

こころを通わすコミュニケーションの方法として、誠実・素直・対等・自己責任という4つに柱を大切にしながら、DESC法(D.事実を伝える。E.自分の意見や気持ちを示す。S.状況を変えるための解決策を提案。C.提案の結果を相手に示唆する。)の説明をされました。また、悪循環に陥っている自分を変えるために、自分にとって楽しいことをリストアップして、実践してみるのも一つの方法として例示されました。

「ホッとサポートふくい」の親の会では、ひきこもり支援として定期的に保護者を対象にグループワークを行っており、次のような親の声を挙げられました。「寄り添うことが大事であること」、「将来の心配ごとを口にするのは避けるべき」、「親が気にしていると子供は自分を責めてしまう...」これらは親サポに参加されている方にも参考になる親としての心構えというようなものと言えるでしょう。

現代の若者については、思春期の発達課題と言われていることに触れました。人の発達は、社会や文化と交渉し同年齢集団との間に生じる適度な矛盾の中で育まれるものであり、自分という存在が周囲に承認されているという手応えを通じて自己肯定感が得られるようです。

しかし、現代の若者は、仲間との関係を築く機会が阻害されていることがあり、若者は競争を余儀なくされて心で「勝ち」、「負け」を明確にすることが多く、他人との関係性に不安を抱えているようです。

自分がその集団に関わり作っていくという主体性を欠くために、自分がその集団に受け入れられているか、評価されているかを心配しているのです。それで、“人との関わり方がわからない...”ために、他者とのコミュニケーションを充分に確立できないことが自己評価に対する不安の拡大やさまざまな心身の不調の要因となっていることを指摘されました。

本人が笑顔でいられるために大切なこととして、「自分が変えられないものは受け入れようと努めること」、「変えられるものは変えていく勇気をもつこと」の二つのものを見極める賢さをもつこと。そのために親として出来ること、9つの項目をあげられました。

  1. 情報を得ること。
  2. 家族だけで抱え込まないこと。
  3. 本人の逃げ場をつぶさないこと。
  4. 言動に振り回されない・巻き込まれない。
  5. 本人のリラックスできる空間をつくる。
  6. 「ありがとう」、「助かった」などの言葉かけ。
  7. 人と比較しない。
  8. 対話する関係をつくる。
  9. 本人の決定を認める。

特に対話については、言葉だけでなく、そこに漂っている非言語的なメッセージも重要であり、対話の中で傷ついたり傷つけながら修復していくことで、理解しあうことを学んでいきます。親が本人との対話で留意すべき言葉は、「“あなたのためを思って...。”というニュアンスを伝えない」、「惑わす言葉を使わない」、「親の価値観を押しつける言葉を使わない」、「親の判断を押しつける言葉を使わない」の4つであるとのことです。

今の親は子どもには苦労のない環境を整えようとしがちですが、本来人は痛みを抱えて分かち合い、癒されることでたくましく育つのです。(親が)してやれることをあえて(子供に)しない。手に入らない、思うようにならないことを通じて学ぶ貴重な機会を子供から奪うことがないような配慮が親には必要ということなど、セミナーでは親としての本人との向き合い方をたくさんお話しいただきました。

参加された皆さんの感想
親の気持ちを子供に押しつけないこと。しかし、(親としては)ストレスになるので、なかなか難しいと思いました。
自分に変えられないものを受け入れ、変えられるものを変えていく。その二つのものを見分けるというこということが心に残りました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2013年8月29日)のものです。予めご了承ください。