2013年6月 保護者セミナー報告

日時
平成25年6月22日(土)
演題
幸せになるこころの育て方
講師
立待小学校教諭 岩堀美雪氏
報告内容

6月のセミナーは、鯖江市の立待小学校教諭の岩堀美雪先生を講師にお招きして、「幸せになるこころの育て方」というテーマでお話をしていただきました。先生は、教育現場で「ポートフォリオ」という自己肯定感を高める取り組みをされています。その取り組みはNHKの特番に取り上げられ、全国的にも知られています。

先生はまず、ご自分の学生時代のことを話されました。先生ご自身は長身であることを受け入れられず、自己嫌悪に陥っていましたが、当時、お付き合いしてくれた方のおかげで自分が変われたとのことです。

誰にでもどこか良いところがあることに気付いた先生は、2000年10月に「ポートフォリオ」という考え方に出会い、当時、始まった総合的学習(自分の関心のあることを調べてプレゼンする学習方法)のひとつの方法として、総合的学習の授業に取り入れました。その取り組みを実践していく中で、実際に関わった児童が成長していくさまに色々なことを先生ご自身が教わりましたと例を挙げられました。

運動が苦手だった子が、あるクラスメイトに、「走るのが速くなったね」と言われたことに腹を立て、「僕は運動が苦手なんだ。なぜ、そんなことを言んだ!」と言い返したので、クラスのみんなに聞いてみようと先生が問いかけたとろ、クラス全員が、彼の実際に速くなったことを認めていました。それを知った彼は、改めて、運動が好きになり、生き生きし始めたとのことです。

また、あるお父さんは娘のことが大好きで、とても大切にしていたのですが、そのお父さんが仕事で行き詰まり落ち込んだことで、何もかもがうまくいかなくなりました。もう、その仕事を廃業にするかどうかまで追い込まれたとき、その子が「お父さんは仕事に一生懸命だね」という言葉をかけたことで、お父さんは、やる気が出てきて仕事も好転し始めて、軌道にのっていったとのことです。

そういった周囲の人からの言葉や気に入ったもの(きれいな落ち葉など)、思い出の写真などを切り貼りしたファイルを作り、時々、読み直してみることで、自己肯定感が育っていくというものが「ポートフォリオ」という取り組みです。

そうして育った子の中には、成人してからも先生に会いたいという方、保護者の中には、お嫁に行くときにそのファイルを持たせたいという方もいます。そのうち、その取り組みを執筆して出版するように「ポートフォリオ」を提唱した先生に勧められ、自費出版で出すことになった困惑ぶりにユーモアを交え話されました。

しかし、そう順調なことばかりではなく、先生ご自身にも一筋の光も見えない時期がありました。大学時代の友人が末期がんになったため、その友人を救うため県外で有効な治療法を見つけたと勇んで帰郷する時に友人の訃報に遭い、ショックを受けました。また、その日に福井豪雨があり、教え子の家族が亡くなるなど辛いことが続き、周囲からもその心労を気遣われるくらい追い込まれていたとのことです。

そのうち、自費出版した本が縁を結び、NHKで取り上げられるようになりました。また、当時のいじめ事件の自殺報道に心を痛めた先生は、改めて「自己肯定感」の重要性に気づき、ある方からの先生への批評をきっかけに、その効果の学問的裏付けの必要性を感じて大学院に進むことになりました。そして、勉強していく中で、フランスの精神科医が執筆した「自己評価の心理学」という本に出会ったそうです。

その著者に会いたいと、フランスまで行き、直接、著者と話をすると「今後、広めるべき取り組みだ」と言ってもらえたとのことです。勤務している学校でも、学年主任などをする年齢になったため、他のクラスでも取り組むことになり、他の学校からも講演依頼が来るようになったそうです。

自己肯定感を育むことの大切さを一人でも多くの方に知っていただきたいという先生の想いが感じられるお話でした。とても情感豊かな先生で、日々、児童のことで心を砕かれていることが言葉の節々に見え隠れしていました。

参加された親御さんの中には、ご自分のことが嫌いだという方もいらしたためか、最後に先生はご自身が作詞して自費制作した歌を歌わせていただきたいと、2曲披露してくださいました。感極まり涙しながら、想いを込めて歌われました。

参加された皆さんの感想
長女の一つでもよいところを捜していくよう心掛けたいとおもいました。
先生の熱い講演ありがとうございます。泣いてしましました。
「自分を大好きになるのが大切だ」と改めて感じました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2013年8月2日)のものです。予めご了承ください。