2013年5月 保護者セミナー報告

日時
平成25年5月25日(土)
演題
家族支援と社会自立 Q&A
講師
前敦賀短期大学教授 龍谿乘峰先生
報告内容

今月の親サポは、龍谿先生をお迎えし、家族支援の在り方と本人の社会への自立の進め方について、具体例を交えたお話をいただきました。

今回は動けない本人に対して、家族がどう関わり支援していくかがテーマであり、集まった保護者がもっとも知りたい内容でした。先生は、今動けない本人が「どういうところなら快活に動けるのか?」に注目し、本人が動けるようにすることが自立への最も近い道であると説明されました。

「家庭や学校では、本人の意に反して親や周りがこうあってほしいと勝手に方向性を決めつけることで本人を動けない状況にさせてしまっている。本人のなかには、動けないなかにも年齢相応の心動かされるものが必ずある」とのことでした。

本人にとって心動かされる対象が見つかれば状況は好転していった例として、ある青年の自立までの道のりを紹介されました。

カウンセリングのなかで動けなかった青年が話した何気ない話がきっかけになり、夢中になるものがみつかって進学。その後はアルバイトも始め、親からの経済的も徐々に減らす形で、現在がんばっているとのことでした。

本人が動けない背景に親や周囲が本人への見方で、「あの時(今)は○○だ」・「あの子は○○だ」と決めつけ(ラベリング)があることを注意されました。本人を動かすには「あの子はこういう面もある。○○もできる」というように、周囲が本人の見方を見直す(リ・ラベリング=ラベルの貼り換えをする)ことが大切であるとおっしゃいました。

こうした本人への見方を見直すきっかけとして、本人が発する普段の何気ない話や本人の微妙な変化に周囲が気づくことが、動けないこう着した状態から抜け出すヒントとなっているようです。そうするなかで周りの状況ばかりに気がとらわれて動けない状態(他律)から自分が感じたこと、思ったことで動ける状態になる状態(自律)に変わっていきます。

また講座のなかでは、先生が用意された「親と子の傾向チェックシート」を参加者各自が行い、普段気づかない自分の特性や感情表出を客観的に知る機会として、親や子どもの傾向や親子関係を気づく材料としてもらいました。後半部分では参加された保護者からQ&A方式で、「今期待していること」や「現在の状況」について意見交換をしました。

皆さんそれぞれに抱えている課題は違いますが、子どもに向き合うなかで何とか次の一歩を見出したいという気持ちに変わりはありません。私たちサポステスタッフも、利用者の方や保護者のお話から「今本人が動けるヒントがないだろうか」と傾聴しながら、寄り添って支援してまいりたいと思っています。

親のためのセミナー(通称「親サポ」)は、本人をとりまくよりよい環境を考える機会として、毎月 若者の就労や自立支援に理解のある講師を招いて行っています。講師・保護者・支援者の学びと意見交換の大切な機会です。サポステ事業もまだまだ行き届かない部分もあるかと思いますので、改善点があればぜひお知らせいただきたいと思います。これからも利用者の方やご家族の方にとって、よりよい支援ができるように努めてまいりたいと思います。今後も本人との関わりや支援の方法に関心のあるみなさんのご参加を、お待ちしております。

参加された皆さんの感想
自律的に生活できるようになる方法をわかりやすく聞けてよかったです。初めて聞いた説明でした。
いろいろな事例を聞けてたいへん参考になりました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2013年7月1日)のものです。予めご了承ください。