2012年9月 保護者セミナー報告

, by , in 保護者セミナー報告
日時
平成24年8月15日(土)
演題
若者の声と揺らぎに寄り添う
講師
福井大学大学院教育学研究科特命助教 杉山晋平氏
報告内容

9月の親サポは、福井大学大学院教育学研究科 杉山晋平先生を講師としてお招きしました。

最初、スタッフから参加した皆さんに、サポステ活動の取り組みを説明した後、杉山先生がおられた、北海道美瑛町にある【ユースピア職センター】での体験を基に、2件の事例から励みのある話を聞くことが出来ました。

そのセンターでは、不登校・引きこもり・いじめ・職場でのつまずきなどで、人との関わり方に問題を抱えてしまった、15歳から35歳までの同じような悩みを持つ方々が全国から集まり、1週間の共同生活を過ごし、地域での社会参加を通じて、生活の中で「人に頼る、人に頼られる」自分の存在に気づいてもらいながら、社会に適応出来るように若者を支援していく事業プログラムを行っています。

1件目のケースは、東京でIT関連の仕事に従事するなかで問題を抱え、事業に参加した方の事例でした。

東京の会社では業務負担が大きく、自信をなくし身体まで壊してしまい、地元に帰ることになりました。そして、セミナーに参加する中で、農業を通じてこれまでの自分を見つめ直す機会がありました。その方は、地元の農家さんと共に畑作業をする中で、「畑の作業そのものは農業の一部でしかない、(仕事は)人との関わりの中で作物を生産し出荷し成り立つもの」と気がつき、人との繋がりに挑戦していくうち、人と向き合って繋がりを楽しむことが出来るようになったケースでした。

2件目のケースは、学生時代にいじめを経験した発達障害の診断のある方のケースです。

7日間のプログラムの開会式の時には、人との関わりを恐れて、押入れに閉じこもってしまうような方でしたが、共同生活をしながら、北海道に大坂から新しくやってきたIターン農家の奥さんと一緒に作業する中で、その方がじっと耳を傾けてくださり、自分に対する怒りや寂しさなどの様々な感情を理解してくださったとのことです。

その農家の方との交流の中で、辛い過去を語り表現できる自分を再発見することが出来た事例でした。その奥さんは自分も差別を受け、誰からも守ってもらえない過去を持ち、自分のライフストーリーを話すことを通じて、互いに信頼関係を築くことができました。その関係の中でみるみる変化を遂げ、「曲げたくないものを曲げるのではなく、曲げなくてもいい場所まで自分の心が向かえばいい。一人は楽だけど寂しい」と気付き一歩を踏み出すことができた例でした。

会場の参加者の中には、これは北海道でのモデル的な国の事業なので「福井でもそのような体験できる場が欲しい」との声が上がっていました。

今回の体験から、聴きあっていくコミュニティの大切さを学びました。困難を抱えた若者達が、これから力を発揮し、自主的にコミュニティづくりを担うためには、なにが必要か、どうしていくのが良いか、時間をかけてじっくり親サポでも考えていきたいと思います。

参加された皆さんの感想
来てよかったです。息子にも色んな体験をさせたいです。
杉山先生の、質問等に対する答えがとても温かくこころがいやされました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2012年10月23日)のものです。予めご了承ください。