2012年5月 保護者セミナー報告

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日時
平成24年5月19日(土)
演題
愛することは求めないこと
講師
サポステふくい総括コーディネーター 白崎久美氏
報告内容

今回の親サポには、9名の方が参加されました。向井清和先生の予定でしたが、ご都合があり急遽、白崎の話となりました。テーマは向井先生のまま「愛することは求めないこと」とさせて頂きました。

人間は裸で産まれてきたら、すぐに泣きます。母親の羊水の中で過ごしていたのに、急に空気の中に出され肺呼吸になり、余りの変化に驚いて泣くのは、誰でも考えれば想像がつくでしょう。その後も、自動的に栄養が流れてくる状態ではないので、空腹感を感じれば泣き、お尻が気持ち悪ければ泣き、不安を感じれば泣いて訴えます。

周りの大人にとって「とてもうるさい」状態であっても赤ちゃんにとっては自然な、ありのままの感情表現で居ることを許され、欲求を満たされる状態を「幸せ(基本的信頼感)」と感じます。親は小さく可愛い赤ちゃんには何も求めません。出来ない理由が分かっているからです。人は皆、顔が違うように欲しい物も、考える事も、感じ方も違うものですが、他の人に成ったことがないので、同じ様に過ごしていると「同じだ」と思いがちです。ここに、自分の価値観を当てはめてしまう危うさがあります。

参加者の皆さんに、子どもの頃の遊びや内容を話して頂きました。メンコ、ビー玉、鬼ごっこ、缶蹴り、木登りや、蓮華草で首飾りを作ったり、近所の庭の柿や栗などを取りに行った、等々、当時を楽しそうに話してくださいました。どなたも年上の方々や小さい子達と遊んだと話されました。

素晴らしい自然の中で、家族以外の子どもや地域の方々と物心がついた時から会話をして関わって社会に溶け込んで、自ずとコミュニケーションが取れる仕組みが出来上がっていた様に思えました。今と比べるといかがでしょうか? 物心がついた頃から、生きている人からではなくPCで情報を得て、肉声や手紙ではなく活字で会話をし、個人で携帯できる電話やゲームが在り、欲しい物すら人と会わず喋る事も無く手に入る、人間味のない世の中になっております。産まれてから心を豊かにする経験の少なさは、脳に与えてきた影響が親世代とは違うという大きな現実を見過ごしては居ないでしょうか?

時代はさておき、目の前に居る若者の何が理由で、今の動けなさ、不安、緊張などの不具合を起こしているのかを理解し、適切な対応をすることで育っていくと考えると、こう在って欲しいと求めるのではなく、その人に「必要な安心感を育てる関わりを続けながら、支持し見守る」ことが大事なのではないかと思い、非力ながら毎日支援をさせて頂いております。

参加者の皆さん。お忙しい中、お越し頂き有り難うございました。私自身も懐かしい子ども時代の自然に囲まれた、厳しいけれど、あたたかい幼少時代が思い出されて、今の自分を支えていると実感できました。これからも、皆さんと一緒に若者の将来を考えて行きたいと思っております。

参加された皆さんの感想
事例を入れて話されたので,心にしみこみました。
「会話は、話す人の問題ではなく、相手がどんな気持ちで受け取ったかが重要」 なるほどと思った。
親の子に対する処し方が、多少判りました。
子どもの頃の気持ちを思い出した。親になると、親の気持ちでしか考えられなくなっていたのかな...。
子どもがどう思うかを考えて、話が出来るように心掛けようと思います。等々

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2012年6月27日)のものです。予めご了承ください。