2011年11月 保護者セミナー報告

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日時
平成23年11月19日(土)
演題
心が育つとき
講師
福井県教育カウンセラー協会事務局 向井清和氏
報告内容

11月の親サポは、12名の方が参加されました。

向井先生は、「現在の若者とわれわれ親の世代とは、育ってきたベースが違うのではないか」という疑問を投げかけ、現在は、70~80年代に流行ったアニメなどがリメイクされているなど、クリエイティブなものがなくなってきているのではないか、将来に前向きになれた高度経済成長といわれた自分たち(親の世代)の時代とは、違っていると実感しますと話されました。

私たちは今まで、”働く”意味を考えてこなかったのではないかと問題提起し、定年退職したある男性の働く姿をエッセイ風に綴った本を朗読しました。”働く”ことには、4種類のタイプ(表1参照)あり、紹介した本には、ひとから感謝され、「ひとを輝かせる仕事」をした方のことが綴られていました。

仕事の4つの段階(表1)
タイプ意味備考
Rice work食べていくための仕事自分のための仕事
Like work好きという気持ちがある仕事自分のための仕事
Life work人生のテーマと重なってくる仕事自分のための仕事
Light workひとを輝かせる仕事紹介した本の内容

そして、今回のテーマである「心」について考えてみたとき、それを表す言葉に、自我(Ego)というものがあり、無意識の領域から、自我の成長とともに自己(Self)というものが意識されていくという過程を図式化して解説されました。

その自我は、他人からの栄養(関わり)を得て育つのですが、幼児期から思春期は自分を主張し、自分のために生きる時期です。

その過程で傷つくと、社会的にはひきこもったり、不登校になることがあります。また、自我が肥大化(頭でっかち)すると自己とのバランスを崩し、心身を病む方がいます。

経験を積み自我と自己が十分に育つと成熟期(他のために生きる時期)に入ります。しかし、今の若者は、他人からの栄養を十分に得ないまま、年を経てしまっているのではないだろうか。思春期に感動する経験や成長に必要な苦しみといったことすら与えられないのではないか。

経済界からは、学校教育で“競争心”を育てる必要があるという声があります。”競争心”は確かに必要なものですが、学校でそれを推し進めると、競争を通り越し戦争状態になってしまう可能性があると警告されました。

それから、今春の東日本大震災で壊滅的な被害を受けたある中学校の卒業生代表の答辞を例に挙げ、震災という自然の猛威を目の当たりにして、生き抜いた15歳の少年の言葉から、「これからの試練に対して、友人、先生、地域社会、そして両親に対する深い絆を感じませんか」と投げかけました。

参加した方からは、「話としてはわかるが、現在、何もしていない息子をみていると苦しみから逃げているのではないか。自分の育て方が間違っていたのではないかと悩んでいる。どう理解してよいかわからない」といった声があり、先生は教師としての経験から、「今の若者は親が思っているよりも苦しんでいると思いますよ」と回答すると、ある方からは、「息子たちは苦しむ権利があるのだと理解すればよいのではないだろうか」という意見が出てきました。

皆さん、ご自分の人生と照らしながら、お子さんの現状を理解に努めようとされている様子でした。

参加された皆さんの感想
自分だけでは、いつも悩んでばかりなので、こういう機会にいろんな話を聞くことができてとてもよかったです。
先生から具体的な話を聞けると、もっと具体的な参考になるのではないかと思った。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2011年12月28日)のものです。予めご了承ください。