2011年7月 保護者セミナー報告

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日時
平成23年7月16日(土)
演題
今いっぽを踏み出す支援―――足下のつまずきを越える
講師
敦賀短期大学教授 龍谿乘峰氏
報告内容

今月の親サポは、15名の方が参加されました。講師の龍谿先生は、家族療法というカウンセリングの方法をもとに、“足下のつまずきを越える”ためにいくつかの考え方をお話されました。

まず、「エンパワーメント」という考え方についてお話をされました。これは、相手の感情を否定・評価せず、ありのままを受け入れる支持的な関わり方のことです。父親の言葉に腹を立てる次男が、父親とケンカをして家庭の雰囲気がピリピリしているある家族の話を例に説明されました。

そのことで悩んでいる母親に対して、長男が次男の気持ちを次のように代弁しました。「弟は、親父の言葉に反発・抵抗していようだけど、そうやって自立していくんだ。自分は親に応えるのに一生懸命だった・・・。親父と弟の関係がうらやましい」と。それを聞いた母親は、長男の本心に驚きました。そして、長男が次男の感情(反発/抵抗)を否定することなく、ありのままを受け入れた発言を聞いて、親子関係が悪いのではなく、自立・成長に向かうための親子の本当の関係に気づいたのです。

次に「スケーリング技法」についてです。これは、今の状態を数値化して、その変化を客観的に知るという方法です。自分の気持ちを数値化し明確にすることで、本人の気持ちを親子が共に共有する手がかりになると説明されました。

他にも木製のデッサン人形を用いて、人形のポーズや置かれた位置で気持ちを表現するという方法を紹介されました。ご両親からみた本人の状態を、人形のポーズや位置で表現してもらいました。すると、本人とご両親のそれぞれが思っている心境の違いや戸惑いが感じられ、そのことを通じて親子は、共に現状に対して見直すきっかけになったり、解決に向かうケースもあるとのことでした。

親子の支え、支えられる関係の中にある”ひっかかり“は些細で、言い出しにくいがゆえにお互いが”足下”のつまずきとなっており、気づかない場合が多くあります。

先生が行っている家族療法という手法には、そこに気づく工夫が数多く盛り込まれているようです。そして、それに気づくための資産は、親御さんが経験的にもっているものです。その資産を活かすには、「(1)本人を許すこと、(2)本人に任せること、(3)本人を受容すること、(4)本人の気持ちに共感すること、(5)本人を尊重すること、(6)本人を見守ることが大切であること」と最後にまとめられ、共に気づいてこそ共に一歩踏み出せる、そんな支援のあり方を話されました。

参加された皆さんの感想
自分と子どものことを頭の中に思い浮かべながら聞かせていただきました。事例をまじえてわかりやすいお話でよかったです。少し身につまされました。
一つのことに対する物の見方がそれぞれ違うことが判りました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2011年8月30日)のものです。予めご了承ください。