2011年4月 保護者セミナー報告

, by , in 保護者セミナー報告
日時
平成23年4月16日(土)
演題
親がリラックスしてみる―――子どもの心を開くあり方
講師
金沢工業大学教授 塩谷亨氏
報告内容

平成23年4月16日(土)の親サポには、12名の方が参加されました。講師の塩谷先生は、ひきこもっていてサポステに来所できない若者の特徴を3点挙げられました。

  1. 人間関係で傷ついてきた過去がある。
  2. 他者からの評価を非常に気にする。
  3. 対人場面での緊張が非常に強い。

こういった“対人不安や緊張”の対処法を考える上で、行動的側面・認知的側面・生理的側面の3つの側面に注目して説明をされました。

まず、行動的側面として、「どう振舞ってよいかわからない。頭で分かっていてもできない」ということの対処法は、新しい行動パターンを身につけていくことが有効であると述べられました。そして、SST(ソーシャルスキルトレーニング)という訓練を説明され、対人関係のやり取りを増やし、その中で“自分には価値がある、大丈夫だ”ということが分かれば、安心できるのではないか。そのために、サポステのグループワークなどを利用することを提案されました。

次に認知的側面では、ある状況に対して思い込みなどの“解釈”が加わることによって、ある感情が湧き上がってくるのだということを指摘されました。そして、「なぜ、夜の墓場は怖いのですか?」という質問をされました。

みなさんは、「おばけが出るかも・・・」と答えましたが、それに対して先生は、「なぜ、おばけに会うと怖いのですか。会ったこともないのに・・・」と問い返しました。「なぜ自分がそう思っているかは、問われて改めて考えてみないと気づかないもの」と説明され、逆に肝試しの前は意図的に怖い話をして、“恐怖”を強調しているのだということを述べられました。

そして、先生が以前、出会った若者を例に挙げて、若者の中には、テレビのインタビューでみんなが堂々と答えている姿をみて、自分はできないから、ダメだと思い込んでいる人もいる。本当は全員がきちんと答えられているわけではないにも拘らず...。「誰も自分のことをわかってくれない」と思っている若者が、他人に話が出来るようになるには、ある程度自分の気持ちや考えが分かっていて、整理できている必要があると説明されました。

最後に、生理的側面としてあらわれる身体的な緊張への対処法として、筋弛緩法などのリラックス法を紹介され、体験する機会を設けました。意図的に体がリラックスできている状態を体感することで、緊張している状態から力を抜くことが出来る。その人の能力を発揮するには、適度な緊張も必要であると補足されました。

親として支援していく方法は様々あるけれども、最終的な目標としては、長い目で見て、本人が自分で社会の中で生活していってくれることである。本人も親もひとりで考えると、根拠がないことで、「自分はダメだ」となりやすい。まずは、力を抜くこと。自分の人生だから楽しむところは楽しむこと。また、悩みなど共通している部分もあるので、親同士の情報交換も大切である。力が抜けているからこそ、見えてくるものがあると、親としての基本的な姿勢を述べられました。

初めての方も再来の方も、先生のわかりやすい内容に納得をされていたようでした。

参加された皆さんの感想
講師の方の話がわかりやすく大変良かった。
2回目です。前回と重なるところもありましたが、よく理解できました。
親の対応の仕方で変わるのでしょうが、むすかしく思っています。少し努力しようと考えました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2011年5月28日)のものです。予めご了承ください。