2014年10月 保護者セミナー報告

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日時
平成26年10月18日(土)
演題
ひきこもる若者を支える親
講師
福井大学保健管理センター准教授 細田憲一氏
報告内容

今回は、福井大学の保健管理センターで様々な悩みを抱えた学生の相談を受けている細田憲一氏を講師にお招きし、実際に支援した学生を事例に話をしていただきました。

本人は、一人暮らしで学生生活を送っているときに、アパートに閉じこもるようになり、家族との接触を強く拒否していました。

先生が支援したのは、ご両親だけですが、その間にご両親からお聞きした本人の言動から、本人の心の様子を考え、それとともに変化していくご両親の心境との相互性を中心に話されました。

本人に対する両親の心境の変化
閉じこもった当初、訪問した両親に対して問いかけに答えないなど、本人の拒否の態度には、本人の混乱や恐怖がみられました。本人は、「両親を拒否する自分が許せない」と両親に漏らしたそうです。両親としては、「何とかしなければ...」、「何が起こったのか」「なぜ、拒否されるのか...」などの不安や生活費を使っていないことから、「死んでしまうのではないか...」という混乱がありました。
そのうち、父は「この時期に迷いきってほしい」、母は「心の曇りが晴れるまで待ちたい」という心境に変化しました。それまでは、足並みがそろっていなかったご両親でしたが、息子のこの事態に直面したことをきっかけに、良い関係になっていきました。先生は、地元から数時間かけて、福井まで通ったことがよかったのではないかとも話されました。
本人の行動面の変化と新しい自己像
時を経て本人は、訪問する両親をアパートに招き入れるようになり、両親を思いやるような発言も出てきました。その後、しばらくして本人は母の言葉に耳を傾け、父の贈り物を快く受け取る余裕を見せるようになり、アパートを引き払い、実家に戻ることになります。実家での平凡な生活の中で、落ちつきを持てるようになったそうです。
しばらくして、就職活動に踏み出しました。企業からは学歴を考慮し、事務職を勧められましたが、本人は現場での肉体労働を希望しました。ひきこもりから帰郷する過程の中で、彼なりに自分の特性を理解し、はっきり意思表示ができるようになったのではないかと先生は推測します。その後、その仕事につき今も働いています。
彼は、何らかの心の傷つきにより、「両親を拒否する」気持ちとそれを許さない葛藤が生じたと思われます。アパートに閉じこもり、両親を拒否しつづけることで、折り合いをつけていくことを身につけたのです。その過程で新しい自己像を獲得したと思われます。それは、自問自答を繰り返す中でしか得られないとのことです。
支える親に大切な態度
そのため、それを支える保護者としては、その自己像の獲得の試行錯誤につきあうこと、長期戦になることを覚悟して、諦めないことが大切ですと先生は締めくくりました。その後、参加者の皆さんの意見を聞きながら、お子さんの状態を伺いました。
その中で先生は、心の変化というものはその変化の速度や幅は人それぞれだが、プロセスは同じなので変化に対する待ち方がポイントであると念を押され、それぞれの疑問に対しアドバイスされました。
参加された皆さんの感想
同じ動きを繰り返すことで落ち着く。心に残りましたみんなの話がいへ参考
自分が知りたいこと、そのま教えてだように思す。
ディスカッションにて、いろんな解決方策のアドバイがよかったです。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2014年11月27日)のものです。予めご了承ください。