2014年9月 保護者セミナー報告

日時
平成26年9月20日(土)
演題
こころの在りかと様々なシグナル
講師
前敦賀短期大学教授 龍谿乘峰氏
報告内容

今回は、嶺南地域の若狭町の若狭ものづくり美学舎の会場で開催しました。講師は、龍谿乘峰先生です。先生は、家族臨床心理学が専門で、カウンセリングの臨床経験が豊富な方です。

性格・人格の傾向をはかる指標を資料として示しながら、先生は、子どもと関わる上での留意点として、“ねばならない”という意識と“してはならない”という意識の切り替えが大切であると諭されました。

その上で、「支える人(親や支援者)は、本人にどんな期待をしていますか?」と参加者の皆さんに問いかけられました。そして、自室にひきこもる30代男性の両親を支援した例を話されました。

ある気づきが支援のスタート
本人は、自室の窓を板で遮蔽し、外界との関わりを断っていました。ある日、窓を遮蔽していた板がずれており、いつもは、すぐに、ズレを治していましたが数日たってもそのままでした。そこに気づいた父親は、その隙間に向かって「おはよう!」と声をかけ、母親は、部屋の入口まで運んでいた食事にメニューを添えたそうです。その働きかけから、本人が答えるようになり、進展していきました。父は2回挨拶したいという気持ち(期待)がありましたが、母の意見を考慮して、先生は、「今は1回がいいでしょう」と諭しました。
関わりの接点が問題
あることに気づくと、親の感情として、フィードバックしたいと思いますが、喜びすぎることは、「期待」と受け止められ、子どもとよい関わりが生じないことがあります。どうフィードバックするかがポイントです。この場合、“してはならない”ことを優先し、“ねばならない”ことを後回しにすることです。支援のステップを進めるには、周囲の気づきが大切です。ひとりの力では難しいのです。

先生は家族面接をする場合、先ほどの例でいえば、先生自身が判断するのではく、父の意見に対して、母に意見を聞くことで、何が妥当かに気づいてもらうよう心掛けているそうです。支援者は、社会参加のための本人へのリハビリであるという理解の下、情報面(提案など)と行動面(同行など)で連携することで、しり込みする本人を支えることができます。

社会活動に対する意識が低い若者には、○か×ではなく、段階を踏んだステップやその仲介者の存在が大切であるということです。支援者は次に進めることではなく、現状維持を心がけ、ステップアップするのは本人の意思であることを先生は指摘されました。

その後、参加者の皆さんからの質問や疑問に答える形で、先生は、次のようにおっしゃいました親の「期待」は、これ自身も愛情であり、程度の問題として方向性を考えることが必要です。その「期待」の現れとして、1.親として出来ること、2.あなたのために○○したことがあった場合、1は正しい姿勢であり、2はよい関わりを生まない姿勢であると説明されました。

自立というのは、自分のやるべきことを自分の力でやれるようになることであり、自律は、自分の行動や考えを自分の言葉で言えるようになることだと先生は言います。まずは、本人の自律性を育てることです。そのために親(支援者)に必要な姿勢を学べたセミナーでした。

参加された皆さんの感想
親としてどうしても子供に「期待」してしまします。それが子供の「重圧」になるので、プラスのことに気づき、フィードバックを大切にしていきたいと思う。
「気づき」・「してはいけないこと」、家だけではなく、広い所で行っていくことが出来ればと思いました。

この記事の組織名や役職などの情報は、公開当時(2014年10月29日)のものです。予めご了承ください。